弟と別れる時はいつもなんだかふわっとしている

April 11, 2014

5歳離れた弟とはここ20年くらい3〜4年に1度のペースでしか会わない。自分は20歳前に家を出て一人暮らしをしていたこともあり弟の多感な時期も知らない。弟は18歳のときに家を出てそれ以来シドニーで暮らしている。一応断っておくと家族4人が不仲という訳ではなく厳しいが割と自由にさせてもらえる家庭だったこともあり兄弟揃って早くに家を出た。

そんなこんなで何年かに1度しか会わないのだけれども昨年弟がシドニーに自分の店を持ったこともあり、ちょうど1年前に自分と父親と何故か自分の友人とでそのお店に訪問した。それ以来だからいつもより間隔は短い約1年ぶりの再会。昨日・一昨日と夕食を共にしていろいろ話をした。そして二泊三日の強行スケジュールのため今日の夜には帰ってしまうのだがお昼は一緒に天ぷらをたべた。

それほど仲が良かった訳ではないし仲が悪くなる程一緒に居た訳でもないのに今回の来日では何故か一緒に居る時間が長かったような気がする。父親が「お前と同じ血が流れているのはこの世の中で弟だけだぞ」とよく言っていたのを覚えている。それは「弟」のところを「兄」にかえて弟にも言っていたようで弟もその言葉を覚えていると言っていた。

天ぷらをたべてたわいもない会話をして地下鉄の入り口で「じゃあまた、気をつけてな」と言って別れた。改札まで見送って行けば良かったと思ったがそこまでするのは大げさな気もして地下鉄の入り口で別れた。最後になんと声をかけたら良いかはいつも戸惑う。昨年弟を訪問した際は何と言って別れたのだったろうか。

もしかしたら年末にまた訪問するかもしれないのでサラッと挨拶をして別れれば良いのだがなんだかふわっとしてしまった。それは今日だけではなくいつもなんだかふわっとしている。たぶん一緒に居た時間が少なく過ぎて上手な別れ方を知らないからだろう。

未だに弟のことはあまりよく知らないしこの先どんな関係になっていくのかもわからないけれども自慢の弟である。何を自慢されるのかはわからないが弟に自慢されるような兄に成りたいものである。

Author: Shin Takeda
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