みんなで渡っても怖いよ

May 31, 2010

オフィスからの帰り道、歩けるところまで歩いて帰ろうとガツガツ歩いていた。自分のスグ後ろで外国人の親子が話に夢中になりながら歩いている。細い路地にさしかかった。信号は赤信号。路地を覗くと車はかなり離れたところにいるのでそのまま横断歩道を渡る。しばらくするとクラクションの音が響いた。驚いて後ろを振り返ると先ほどの外国人親子が小走りで横断歩道を駆けていた。親子は驚いた様子だったが無事横断歩道を渡り切った。

話に夢中になっていたその親子が “私につられて” 横断歩道を渡ったのは明らかだった。ゾっとした。

もしあのとき、親子が事故にあっていたら私のせいだろう。もちろん自己責任であることは言うまでもない。ただ、話に夢中になっていたとはいえ、私の行動につられて横断歩道を渡ったのは間違いない。誰かに問いかけられたら私は「私に責任はない」と言い切れるだろうか?どんな事故でも、事故の原因というのはそれほど単純なものではない。この話も、ただ単に親子が信号を見ていなかったことだけが理由ではない。話に夢中になって信号を見ていなかったことに加え、車は予想以上のスピードで走って来ていた。日も沈んでいる上に、非常に細い路地で、しかも非常に見通しの悪い交差点だった。そしてその親子の目の前を歩く私は平然と横断歩道を渡っていた。私は事故の一因になるところだった。

それからというもの、信号は守るようにしている。例え周りの人が信号を無視して渡っていても、私が止まっていることで信号が赤であるということを気づく人がいるかもしれない。もしかすると横断歩道をたくさんの人が渡っているところを見て、走っている車が何かを勘違いして事故を起こすことだってあるかもしれない。

日本以外の他の国では信号を守らない国もある。例え赤信号であっても、周りを見て車が来ていなければそのまま渡る国や、車が来ていても平気で渡る国も。ただ日本の場合、統計的には少なく見積もっても半分以上の人は当たり前のように信号を守るのではないだろうか?そうであれば、それが日本の常識である。

自分の違法行為をこんなところで告白して良いのかとも思ったが、信号無視という行為は、非常に自分勝手な行為であると気がついた出来事だったのでここに記しておこうと思った。自分の思わぬ行動が思わぬ結果を招く可能性もあるということ。結果から原因を探るのは容易なことではない。ただこの瞬間を感じられたとは自分にとって非常にあいがたいことだと思った。どうかご勘弁を(笑)

Author: Shin Takeda
info@modernica73.com
 

Powered by Google

©modernica73