甲府の旅1日目

March 20, 2010

行ってきました。3度目の甲府。それも途中まで自転車で。

出発

前日早めに寝てしまい案の定早過ぎた起床時間は午前2時。もう1度寝ると起きられないしどうせ眠れないのでそのままシャワーを浴びるなどして準備を進めます。着替えなどの荷物は前日の朝に郵送済みなので持ち物は輪行バックとスポーツドリンクと携帯電話とiPhoneと財布のみ。午前4時丁度に出発です。

東京都内

1月のツーリングで高尾山に行ったときと同じルートで多摩川を北上。まだ明けない夜道をひたすら進みます。日野バイパスに入ったところのこの看板、いま思えばこの看板がキッカケで甲府ツーリングを決心したのでした。

朝方はまだまだ寒いので指先がかじかみます。まとまった休憩を取ろうにもまだ朝が早いのでどこも営業開始していません。或る意味誘惑が少ないとも言えますがこんなとき “しゃべれるたべれるコンビニエンス” ミニストップは頼りになります。缶コーヒーを飲むなどしながら軽く休憩を取って出発です。

大垂水峠

結局高尾山口までちゃんとした休憩もロクに取らず峠にさしかかります。どうしようかと思いましたがこの勢いで進みます。...進みます。...進みます。...進みません。決して甘く見ていた訳ではありません。坂の途中なのに立ち止まってしまいます。スポーツバイクに乗っているのに降りて自転車を押す訳にはいきません!でもサッカー選手がスローインのときちょっと前に出たりする程度は押して歩いちゃいました。反則にならない程度に(笑)。そんな私を尻目に本物のロードバイカーはどんどん峠を登って行きます。何人に抜かされたことか...。なんとか峠の上まで来てヘロヘロになりながら次は相模湖を目指します。

相模湖

「もしタイミングが合えば」と話していた友人のデザイナさんと相模湖付近で落ち合うことができました。友人はバイクなので帰り道です。お茶でも飲みながらと思ってもまだ10時前なのでどこもやっていません。セブンイレブンでウィダーインをごちそうになりそこでお別れです。友人に会い、エネルギーも補給したので少し体力が回復しました。

山梨県

大垂水峠ほどの峠はないまでも、緩やかな登り坂と緩やかな下り坂は続きます。と、ここでアクシデント発生。峠を越えた辺りから違和感を感じていた右膝が本格的に悲鳴をあげています。ペダルをひと廻しする度にキリキリと痛むのです。これはマズい...。お昼ご飯でもたべながら今後の去就を考えよう、なんて思いながら足の痛みに耐えかねて近くのコンビニでストップ。お昼ご飯はちゃんとしたものを食べたかったのですが、おなかも空いていたので軽くおにぎりと揚げチキンなんぞをいただきます。

甲州風赤飯は小豆が甘納豆!普段なら敬遠するところですがこの疲れ切った体にはとても優しい味わい。冷静に考えてもこの甲州風赤飯はなかなか良い味でした。

吉田うどん

命からがら大月駅に到着。ここでも食べログアプリは大活躍。山梨で念願の吉田うどんをいただきます。その名も吉田屋

肉きんぴら月見うどんでおなかいっぱい。吉田うどん大好きです。

大月駅

いろいろ考えた挙げ句、結局大月で電車に乗ることにしました。だって明日も明後日も甲府でポタリングを楽しみたいんですもの。輪行バックに自転車を入れて甲府へ向かいます。ここまで8時間、走行距離92km。クロスバイクではやはり無謀でした。

甲府駅

やってきました甲府駅。4ヶ月ぶりだね、ただいま甲府。自転車に前輪を付けて信玄公と記念撮影です。

湯村

甲府駅から湯村温泉までは約3km。痛い足をかばいながら自転車を走らせます。チェックインをしてスグしたことは氷の準備。幸い氷は使い放題なのでビニール袋に詰めて部屋に移動。缶ビールでひとり乾杯しながら右膝をアイシングです。これ、プロスポーツ選手みたいだ...(笑)。早速温泉に入りたいけど先ずはアイシングをしながら1時間ほど仮眠をします。1時間後、なんと足の調子が良くなっているではありませんか!恐るべしアイシング効果。温泉に入ってもう1度アイシング。でも無理をせず夕食はバスを使って甲府駅周辺まで行くことにします。

徽典館

まだ夕食には少し早いので先ずは喫茶店へ。以前から気になっていた甲府駅近くの徽典館に入り、おすすめになっている横浜ブレンド(500円)をいただきました。甲府まで来て横浜?なんて思いましたがここは素直におすすめを。深煎りならではの苦味とコク、500円という価格設定はとても良心的です。

甲府で必ず毎回行くお店、。駅近くでバスを降りて、何も考えずにボーッと歩いていたら到着。どうでしょう?この慣れっぷり。駅からだったら電話ででもナビできるレベルに達しました。赤ワインをいただきながら贅沢に “明太子・うに・いか・しめじ” のパスタをいただきます。それにしてもこのご夫婦、愛想悪過ぎ...というか怖過ぎ(笑)。そのことを知っているから良いけど、事前にこの情報がなかったらたぶん来ていないかも。でもパスタは美味いです。

8cafe'

そしてお馴染み...って自分が馴染みと思っているだけですが、8cafe'丸の内店へ。落ち着きます。バスを降りた辺りからまた右膝が痛み始めたので今日のところはワインを1杯だけいただいてホテルに戻ることにしました。

再びホテル

もう1度温泉に入ってアイシング。ぼんやりしながら回復を待ちます。

heartbeat

そして最大の目的地、そう、それは甲府における自分にとっての聖地、heartbeatです。マスターに挨拶し、旅の報告に爆笑しながらひとりで赤ワインをボトルでいただきます。以前に知り合った方々とも再会し、楽しい夜となりました。生まれて初めて、BARに於けるDJの大切さを知った夜でもあります。この空間を共有できる人同士が集まっているからこそわかることってあるんだなぁ...なんて、感慨深い、再会の夜でした。

甲府の旅2日目

March 21, 2010

お昼前に目が覚め微妙に前日の疲れと二日酔い。起きられるけど起きたくない。もう少しゆっくりしようとゴロゴロしていたらフロントから電話が鳴りました。「本日の清掃はいかがいたしましょうか?」はい、すいません。「あと30分から1時間で外出しますのでそのあとお願いします」と言ってで自らを奮い立たせてみました。

専心庵

右膝の調子は若干の違和感を感じるもののすこぶる快調なので、早速食べログ好評価の専心庵に自転車で向かいます。ちょっと迷って到着。一軒家を改装して営業されている感じで玄関を開けると待っている人が数名。蕎麦屋なのに...。仕方がないので外で待つことにしました。15分くらい待って中に入るとキャパは30〜40名ほど。全て座敷席です。ご夫婦と思われるお二人で切り盛りされていました。蕎麦の種類が3〜4種類ほどあって、若干のサイドメニューとデザートも。これで2名体制はちょっと大変だ...。それからまた20分ほど待たされ、お蕎麦をいただきました。

蕎麦の香りもしっかりしていてなかなか良いお味。しかし何故か感動がない...。折角良いお店なのに、待ち時間や接客の難でなんだかもったいない感じでした。他にもネットを見て来たらしきお客さんが数名おられたので、恐らく食べログで評価される前はもっと良いお店だったのだと思われます。うーん、典型的な “有名にならない方が良いお店” のような印象だけが残りました。残念。

山交百貨店

甲府で知り合った方からご連絡をいただきオススメの喫茶店に行くことになりました。ということで、山交百貨店の前で待ち合わせ。その前にヤマナシ良品クロスオーバーカフェを物色です。なんと、前々から行きたかった吉田うどんの専門店源さんのうどんがここでいただけるではありませんか。本当の目当ては一部で話題の桃カレーなんですけど...。ということで甲府駅前ということもあり、いつでも源さんのうどんをいただけることが判明しました。ちなみに、山交百貨店には曲がっているエレベーターがあります。

カフェ&ギャラリーストラーダ

お誘いいただいた方と合流し車でいざ甲斐市のカフェへ。車中、ツーリングの話や前日のバーでの話などいろいろな話で盛り上がりながら到着です。本業は画家というマスターの藤田由也さんはかなりの有名人らしく、テレビ出演や学校での公演など多数。まさしくギャラリーのような店内には多くの作品が展示されています。そんなお店でどんな珈琲がいただけるのかと思っていたらこれがまた予想以上に美味い。作品に圧倒されながら、藤田さんのいろいろなお話にも圧倒され、素敵な時間を過ごすことができました。そういえば、普通お水が出てくるところ、こちらでは白湯が出てきました。スーッとノドを通る感じでこれまた不思議。珈琲の美味さの秘密は水にもあるようです。お店の雰囲気、作品、珈琲の味、マスター、いろいろなところで心が癒される素敵なお店でした。お店を出ると富士山がくっきりと。ロケーションも抜群です。

桃カレー

さて、いろんな話をした後、ご一緒いただいた方とはまた夜にお会いする約束をして甲府駅で一旦お別れ。そのあと山交百貨店地下一階のクロスオーバーカフェへ。席に着くと私は迷わず桃カレーをオーダーしました。ちょびっとだけ辛く、ほんのり甘いそのカレーは、何故だか開発者のやさしさを感じる味がします。小腹を満たしたあとしばらく甲府市街をポタリングしていましたが、風の強さと道の暗さに涙が出そうになったので宿に帰って温泉へ。この日の走行距離は16.19km。自転車に乗っていなくても足を曲げたままの状態でいると負担がかかるようで、ここでもまた温泉&アイシングで今夜〜明日に向けて万全の体制を整えます。

再び甲府駅周辺

宿に戻ってまったりしていたのですが、小腹が空いてまた甲府駅へ。前から気になっていたこのお店に行ったのですが、私的には、まぁ1度行けば良いかな...という感じでした。いそいそとまた宿に戻って温泉&アイシングの続きを。あ、その前に “武田の交差点” です。どうでも良いですね。自分にとってはそんな感動が至る所にある街です。

heartbeat

うとうとしてしまって午前0時前くらいにマスターから電話をいただきました。「今スグ行きます!」ということで歩いて1分もかからない “いつもの店” へ。2日目はウィスキーをメインにマスターやお客さんと楽しい時間を過ごしました。たまたま隣に座られた方は何と愛知県出身で同い歳!偶然過ぎる...。来る人来る人にシンパシーを感じるお店、それが “heartbeat” 。自分がこのお店に巡り会ったのは必然だったのかもしれません。

甲府の旅3日目

March 22, 2010

2日間いろんなことがありました。最終日、チェックアウトは10時。2日目よりも二日酔い。昨日はそのまま寝てしまったので荷物をまとめてチェックアウト。例によって着替え等々はホテルの売店から郵送し、身軽になって出発です。

富士山と八ヶ岳

今日も右膝は順調、眠気覚ましを兼ねて気ままに自転車を走らせます。それにしても甲府の道路は自転車にやさしい。大きな道は非常に綺麗に整備されており、歩道と車道の段差が極端に低くなっているところもあります。場所によっては歩道の脇に自転車専用道路があったりもします。つくづく自転車で来て良かったなぁと。今度から甲府に来るときは、自転車で来るかは別としても、輪行必須にしようと思います。開橋前の橋の上から八ヶ岳と富士山をパシャリ。


いい眺めです。甲府の街は360度山に囲まれています。「だから閉鎖的」という人もいます。でもそれがなんだか自分にとっては安心感に繋がるような気もしました。と同時に、名古屋との共通点や違いも勝手に感じてしまいました。その話は長くなりそうなのでまた別に機会に。さぁ今日も遊ぶぞー!ということで自転車を走らせます。

六曜館

少し眠気も覚めたところで甲府駅近くの喫茶店六曜館へ。

店内には古い掛け時計や更に輪をかけて古そうな壁掛け式の電話が。非常に歴史を感じさせる内装です。とても品の良さそうなおばさまがオーダーをとりに来てくれたので迷わずブレンドを頼むと、深煎りの “六曜館ブレンド” と中煎りの “普通のブレンド” があるとのこと。軽めで酸味があるという中煎りをオーダーしました。

とても好きな感じの酸味で香りも非常に良い。これで400円。素晴らしい。最終日に駅近くでまた素敵な喫茶店に巡り会えました。

更科そば本店

早朝にバーのマスターから「昼飯でも食べようか?」とお誘いのメールが来ていたので喜んでご一緒させていただくことに。場所は前日バーの常連さんに聞いた更科そば本店です。ここ、食べログの評価無し。期待と不安を胸に(おおげさ...)現地に向かいマスターと合流。こぎれいな建物の暖簾をくぐって扉を開けると、外観とはうって変わって庶民的な内装です。意外と知られていない山梨名物の “鳥もつ” と前出の常連さんおすすめの “山家そば” のセットをオーダーしました。そしてこれが鳥もつ。びっくりするくらい美味いです。ビールが飲みたくなりますが飲み過ぎなので今日はちょっと控えておこうと思います。

そして山家そばは、きしめんみたいな蕎麦をごぼうやら椎茸やらの入ったつけ汁でいただきます。薬味は葱と大葉と胡麻。これも素晴らしく美味くて感激。

食べログに頼りっきりだった自分は改めて “直接的な口コミ” の大切さを教えられました。そしてそれも知らない土地ではその土地での出会いがあってこそ。やっぱり旅って素晴らしいですね。さて、マスターとはここでお別れ。今回も本当にありがとうございました。

舞鶴城跡公園

もうちょっと甲府の街を、この走りやすくて気持ちのよい道を楽しみたいのでポタリング。グルッと廻って舞鶴城公園で一休みです。ここの桜は3分咲きくらいでしょうか。気持ちのよい休日の午後という感じです。

再び8cafe'

甲府に来るのは3回目、なのに8cafe'に来るのは5回目くらい?10月末に初めて来たので、...月イチペースですね(笑)。東京に帰る前は必ずここに寄るのです。心の準備です。アイスのアールグレーをいただきながら今回の旅を振り返り、まったりとします。そういえば、2日経っても筋肉痛は思ったほどではなく良い感じ。膝の調子はかなりの超回復だけどプロスポーツ選手なら大事をとって休養するレベルだと思うので、そろそろ心の準備もできたことですし、大人しく電車に乗って帰ろうと思います。

さようなら甲府、また会う日まで。

回数券を1枚だけ買って来たのでみどりの窓口で指定席を取ります。今回は自転車が一緒なので列車の一番後ろの席を取って椅子の後ろに自転車を置く作戦を決行。とその前に自転車の前輪を外して輪行バックに。手間取って電車に遅れるといけないと思い早めに準備を始めたらアっという間に終わっちゃいました。

スーパーかいじに乗って甲府ともお別れです。

新宿着

さすがに輪行バックで山手線は無理なので、新宿駅でまた前輪を付けて移動です。少し肌寒い東京の街ですが、身も心もリフレッシュした自分にとってはこれくらいへっちゃらです。自宅に着くまでの移動距離も含め、この旅での自転車総走行距離は137.92km。走りましたね。

今回もこうして文章にまとめてみるとイベント盛りだくさんのとっても良い旅でした。お世話になった甲府のみなさん、本当にありがとうございました。みなさん「東京に行くときは連絡するね」と言ってくれます。本当に嬉しいです。是非ご連絡ください。

最近友人に「なんでそんなに甲府に行ってるの?」「甲府って楽しいの?」とよく聞かれます。このコラムを読んで少しでも甲府の楽しさ、素晴らしさが伝われば幸いです。“週末は山梨にいます。” というコピーは、正にそれを現した良いコピーだと思います。

Author: Shin Takeda
info@modernica73.com
 

Powered by Google

©modernica73