LOST

January 20, 2011

とうとうLOSTが完結した。Wikipediaにあるように、アメリカでは2004年9月から2010年5月まで6年間も続いたSF大作だ。日本では2006年の8月に最初のDVDが出ているようだが、私はその翌年辺りから見始めたと思う。そしてシーズン3辺りで最終回は2011年になりそうだ...と発表される。そのときは「3年後だよ...」とあぜんとした。

このドラマを見始めてから、一時期映画が観られなくなった。これだけ伏線を張って展開するドラマに上映時間約2時間の映画が勝てる訳が無い...などと思ったものだ。もちろんそれは違って、映画は2時間の中で何を伝えられるか?という娯楽であるのに対し、ドラマはいかに飽きさせずに多くのことを伝えられるか?という娯楽でもあると思う。

歴史を重ねたドラマだけあって、ファイナルシーズンは名場面のオンパレード。登場人物それぞれにフォーカスされては涙ぐむ毎日だった。

映画のキーワードとしては「生と死」「宗教観」「偶然と必然」「超常現象」など、どれも大好きなものばかり。恐らくこんなドラマは2度と観られないのではないかと思う。

さてここからネタバレなので未見の方はご遠慮ください。





















ネタバレと言っても自分なりの解釈を書くつもりです。





















この映画の結論というか、最大のテーマは “輪廻転生” だと思う。ファイナルシーズンで登場人物が次々と目覚めていくが、これは “前世の記憶を思い出す” 行為ではないかと。

島は輪廻転生を司る場所でその最大の聖地である光の泉をジェイコブが守っている。しかしそれと同時に、ジェイコブには自ら作り出してしまったモンスターを外界に出さないように閉じ込めておくという役割もある。その役割を引き継ぐために、島の外から後継者を選び出し連れて来てこの話になっているのではないかと。

ファイナルシーズンで目覚める前というのは、来世の話であって、だからこそみな別々の人生を送っている。しかし前世とほぼ同じ状況なのは、ジェイコブなのか神なのかわからないが、それ的なものからのギフトなのかもしれない。これもなんだか非常にキリスト教的な考え方だが、そう考えるといろいろと辻褄が合うのではないかと思う。

オーシャニック815便が墜落した時点で全員死亡しているのでは?という意見もあるが、これは間違いでそこからのそれぞれの人生は全てが現実に起こっていることだと私は考える。最後に脱出した4人は?現世と来世を行き来している話だからそこは問題にするところではないだろう。

最後に、輪廻転生と思う理由のひとつとしてもう1つ。“ダーマ・イニシアティブ(THE DHARMA INITIATIVE)” はダーマ構想と呼ばれていたが、別の捉え方をすると、ダーマは文字通り “だるま” を意味し、転んでも自然に置きてくるそのだるまを転生と捉えると、その転生のイニシアティブを取ろうとしている、とも考えられるのではないか。

インセプションもビックリのこの投げっぱなし感は考えることも忘れてしまいそうだが、観終わって半日経過した今の自分の考えをまとめると以上のようになる。しかしこのドラマは投げっぱなしや問い掛けで終わっているのではなく、人生の意味をいろいろ教えてくれるドラマだったのではないかと思う。そのためのエンターテインメントとして、非常に素晴らしい作品だった。年寄りになって何もやることが無くなったらまた見返してみたいと思う。さすがに今から見返すのは時間的にも経済的にもちょっと無理があるが...。

Author: Shin Takeda
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