patti smith dream of life

October 4, 2009

パティ・スミスの映画を観て来た。特にファンという訳でもないけれど、なんだか気になって仕方なかったから。しかも上映が10/9までということなので、なんだか気になってる上に切羽詰まらされたら「行くしかない!」と思うのが人間の常だろう。

この人のことを、ひと言では語り尽くせないのは誰もが知っていること。まぁ、誰のことであろうと、その人のことをひと言で語り尽くすなんてこと出来る訳がないけれど...。この映画は語り尽くしていない。もちろんだ。109分で、語り尽くせる訳がないし、語り尽くそうともしていない。そういう意味では、大きく捉えればニール・ヤング&クレイジー・ホースの映画イヤー・オブ・ザ・ホースと同種の映画とも言えるだろう。

おおざっぱな話になってしまうのだが、個人的に、パティ・スミスを始めとするニューヨークのアートシーンと音楽シーンのこの雰囲気というのが自分には理解できていない。隠すことでもないので、これは正直に言う。「カッコ良い!」とは思うけれど、それが何でカッコ良いのか?が説明できない。「カッコ良いのに理由なんていらない」というのはわかっているつもりだけど、わからないのも気になる。しかし、雰囲気だけでカッコ良いと思っちゃってる“なんちゃってアート思考な大学生”みたいにはなりたくないから、ちゃんとわかりたいとは思う。大学生じゃなくても、世の中には“なんちゃってアート思考な人”というのがいっぱい居て、そういう人はなんだか好きになれない。“ファッションモッズ”と一緒かもね。ちゃんと精神を理解したいと思うんだ。一応言っておくと、“ロック”というのは音楽のジャンルで、精神的なものだけではないと思う。でも表現している人にそのマインドがあるのであれば、というか、そのマインドを感じるから、理解したいと思うのだ。なんだかよくわからなくなって来た。

映画を見終わったあとも、結局わからなかった。でもパティ・スミスのあの爆発的なパワーは数多くの愛が源になっているのだと感じた。そしてその存在感は、数々の試練を経験して、乗り越えて来たからこそ出るものなのだとも。誰かが言ってた「良いブルースは悲しみの量に比例している」という言葉を思い出した。

この映画の感想をひと言で言うとしたら「何かを始めなければ、何も始まらない。何かしなければ。」私はこうとしか言えないかもしれない。

Author: Shin Takeda
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